1999年12月1日 No.125

 どんよりとした曇りの一日だったが、そんな日の夕暮れは、触ることのできそうなくらいの、ちょっと湿って優しく柔らかい光が漂って、オレンジ色の燈火と、写真に撮ることによって初めてうっすら青く染まる、肉眼では灰色にしか見えない空が、なんとも美しく映えてくる。ケヤキも葉を落とし、枝越しの風景を引き立てる初冬ならではの、人、神隠しに遭うといわれる暮れない時であった。

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