* 旋律 *
  
 400数曲のカンティガスの旋律は、編纂者アルフォンソ10世の手によって、採取されたもの、宮廷出入りの楽士によって作られたもの、王自らが作曲したのではないかと推測されるものなど、作曲者は多岐に渡ると思われるますが、当時の流行歌を思わせる世俗的なメロディから、厳粛な聖歌の趣きを感じさせるものまで、非常に多彩で魅力的なものとなっています。
 楽曲は他に旋律・声部を持つポリフォニー(後に興隆し、その後の音楽の標準ともなる)ではなく、ただ一つの旋律からなる、単旋律(モノフォニー)であり、その構造も、A-B-A形式の単純なものが多く、基調となる音はDあるいはG,Fが殆どであり、音高も1オクターブを越えるものはまずありません、にもかかわらず、優れた演奏者の手にかかると、これらの歌曲は、瑞々しく、生き生きと、そして色彩豊かに私たちの眼前に蘇るのです。
 原本にはもちろん、アングレス(Higinio Angles)によって復元された五線譜には、提案としての拍子は書かれるものの、テンポ・リズムについては全く書かれていません。この譜面から、如何にしてテンポとリズムを感じ取るかが、演奏の成否を握っていると言っても、過言ではないと思います。

 このWEB上で、これらの旋律の一部でも聞いてみたいという要望を頂きました。著作権等の問題があり、難しいと思っていたのですが、「CD・LPの紹介」ページに記載したアンサンブル・エクレジア (Ensemble Ecclesia)の演奏の一部をオーディオファイルにして当サイトに置く許可を、同CDの著作権者である女子パウロ会のご厚意によって頂く事ができました。この場を借りて女子パウロ会に感謝の意を表したいと思います。
 ファイルの形式はリアルオーディオ形式ですので、再生にはプラグイン(リアルオーディオ=フリーソフト)が必要になります。ストリーム再生(リアルタイム再生)はこのサイトではできませんので、お手数ですが、適当な場所にファイルをダウンロードしてから、音楽をお聞き下さい。
  
  

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ファイル名  csm1.rm  126KB ダウンロード
   
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ファイル名  csm7.rm  116KB  ダウンロード
   
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  1998.8.22 updated.

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