店は開いて間もなく。
 礼儀正しき足に迎えられ、石畳の縁の客となる。
 名物と一杯の茶を頂き、暫し冷涼燦々の時を過ごす。
 腰を上げ、香る紫煙の隣にて、早春の朝の光と空気を一服。
 洛北の名刹の門前、束の間の良き旅なり。

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