2000年3月14日 No.195

 二人の男の運命が間もなく決まるはずだった。全てか、無か、それは、どちらにとっても過酷な決定であった。広場に集まった市民たちも、その結果を固唾をのんで待っていたのだが、結論はなかなか出ない。サークルからはみ出した一つの石がどちらに投票されたのか、その帰属をめぐって議論は延々と続けられていた。先ほどまで沈黙を守っていた男が一人、立ち上がった。

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